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どろろ
運命を超える旅へ


どろろ

quvphwkchk.jpg

製作年:2007年 製作国:日本 138分
監督:塩田明彦
原作:手塚治虫(「どろろ」)
出演:妻夫木聡 、柴咲コウ 、瑛太 、杉本哲太 、土屋アンナ 、麻生久美子 、中井貴一、
    原田芳雄 、原田美枝子

【ストーリー】

体の48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、体を取り戻すために男装した泥棒“どろろ”とともに
魔物退治の旅に出るアクション時代劇。


【感想】

原作を読んだことがないので映画版と比べることが出来ないのですが、
全体的に物足りなさを感じました。
手塚治虫原作という事で物語の主軸はしっかりしていて見応えがあるのですが、
やはりダイジェスト的な内容になっているというか
ドラマの深さがなかったんじゃないかなと思います。

原作と違い映画の世界観は何時の時代かも分からない異世界的な雰囲気になっています。
日本の時代劇的な雰囲気の中でウエスタン的な荒れた荒野や
スター・ウォーズ風の酒場のシーンなんかは結構好きですね。
まぁ、ある意味「何でもアリ」的世界になってますが(^^;
特に少しトーンを落とした映像は悲しい宿命を背負った百鬼丸の物語と
マッチしていて良かったです。

体の一部を取り戻していく内に最初は人造人間っぽい感じだった百鬼丸が
次第に人間らしくなっていく様子や、
最初は邪険にしていた“どろろ”に対して共に旅を続けていくうちに心を開いて行く様子は、
百鬼丸とどろろの友情、そしてお互いの人間としての心を描けていたので良かったと思います。

011.jpg

ただ百鬼丸と父親の影光との確執や
弟の多宝丸、母親との関係をもっと深く描いてほしかった気がします。
さらに“どろろ”の過去に対してももっと深く描いても良かったんじゃないかと思います。
この“どろろ”の物語はまさにそこにあるんじゃないかと思うので。

戦国時代の様な戦さを通しての反戦メッセージや友情、愛情の尊さを謳い上げているのが
この“どろろ”の最も伝えたいものであると思います。

その中で百鬼丸と“どろろ”の友情はある程度描けているけれど、
愛情に対してはほとんど描けていないような気がします。

自分の体を魔物に売り渡した父親:影光との確執をもう少し細かく描いて欲しかったですね。
そこを丁寧に描くことによって百鬼丸という一人の人間に
はじめて感情移入できるようになると思います。
やはりこの物語は“どろろ”と百鬼丸との友情と同等に影光と百鬼丸の親子の物語を
もう少し丁寧にに描くべきだった思います。

あとは魔物ですね。
日本映画だと今はあれが限界なんですかねぇ。
CGで作られた魔物はちょっと微妙な感じだし、
往年の特撮映画ばりの着ぐるみの魔物は「うーん(ノーコメント)」って感じでした。

008.jpg

アクションシーンは今は主流となったワイヤーアクションでスピード感があり見応えはありました。
アクションシーンは前半と中盤、そして後半と描き方が違ってましたね。
前半はCGの魔物との戦いでスタイリッシュに描かれていて、
中盤は着ぐるみの魔物とのワイヤーアクションを駆使した戦い(これが一番ダメでしたね~)、
そして後半は時代劇的な武者同士の刀を使った戦い、
と3パターンの構成でした。
それぞれは良いんですが中盤のアクションシーンはやはり微妙でした(笑)
出来ればCGの魔物との戦いと時代劇風な刀を使った戦いをしっかりと描いてほしかったですね。

0112.jpg

主演の妻夫木聡は感情のない前半から次第に人間らしくなっていく百鬼丸を
上手く演じていたと思います。
どろろを演じた柴咲コウは頑張っていましたが
ちょっと“どろろ”になりきれていない様に感じました。
あと影光役の中井貴一。
この映画だけではないんですがどうしても中井貴一が演じる役はその役には見えず、
そのまま中井貴一にしか見えないんですよねぇ(言いたいこと分かって頂けます?)

面白い、面白くないとかは関係なく、戦争への反戦メッセージや友情の尊さは伝わってきました。
またこれからの日本映画にとってこの“どろろ”の様な映画がもっと増えてほしいなぁとも感じました。
あとはもう少し上手くCG技術を駆使できればもっと良くなるんじゃないかなぁと思います。


評価★★★★★☆☆☆☆☆(10点満点中5点 …1点)


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