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Toy'sの映画感想ブログです。

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Toy's CINEMA PARADISE
超大作からカルト映画まで、何でも観る雑食映画好きの映画感想ブログです。
   
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ブレイブ ワン
許せますか、彼女の“選択”


ブレイブ ワン
原題: THE BRAVE ONE



製作年:2007年 製作国:アメリカ 122分
監督:ニール・ジョーダン
出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリュース、
    メアリー・スティーンバージェン、ニッキー・カット、ジェーン・アダムス

【ストーリー】

婚約者との幸せな未来を夢見ていたラジオ・パーソナリティのエリカは、
婚約者と公園を散歩中に暴漢に襲われ、婚約者を亡くしてしまう。
悲しみに暮れるエリカは心に深い傷を負い、満足に外出することもできない。
そこで彼女はその恐怖を克服するため1挺の拳銃を手にする。

【感想】

とても考えさせられる作品でした。

こく普通に暮らしていて、ごく普通に幸せを願っている人間が、
突然理不尽な犯罪に巻き込まれ、全てを壊されてしまう。

この悪夢のような出来事を非常なまでのリアルさで描いたこの作品を観て、
決してこの出来事は他人事ではないんだと痛感じました。

これは誰の身にも起こりうる恐怖なのです。

主人公エリカは愛する婚約者デイビッドと結婚を間近に控え、
仕事も充実し、幸せに満ちた生活をおくっていました。
ある夜、二人で犬の散歩に出かけた公園で暴漢に襲われ、
エリカは重傷を負い、婚約者デイビッドは殺されてしまう。

その暴力シーンのあまりのリアルさ、あまりの理不尽さに、
心が押しつぶされそうになりました。

きっとこの世の中で現実に起きている犯罪というものは、
この作品と変わらないのだと思います。
いや、それ以上にもっと理不尽なものなのでしょう。

体の傷は癒えても、心の傷は決して癒される事はない。
犯罪による精神的恐怖、人間不信、愛する人を失った深い悲しみ、
永遠に消える事のない心に深く刻まれた傷跡。

エリカは自分の精神的安心を求めるために銃を手にします。
消えない恐怖を克服するため、理不尽な犯罪から身を守るために。

そして、深夜に訪れたコンビニでふたたび犯罪に巻き込まれた彼女は・・・

彼女のとった“選択”は決して社会的に許される事ではありません。
暴力に対して暴力で対抗するのは、暴力の連鎖を生み出すだけです。

しかし、犯罪による悲しみや苦しみ、そして怒りや憎しみが、
復讐心に変わってしまう気持ちを抑えることができるでしょうか。

この作品から非常に難しい問題定義を投げかけられたように感じました。

善と悪=暴力との間で葛藤するエリカ。

そのモラルが崩壊する一歩手前で踏みとどまっているエリカの姿を、
とてもリアルに、そして丁寧に描いています。

この作品がただの復讐劇に終わらなかったのは、まさにそこだと思います。

自らの行いを深く悔やみ、葛藤し、自分の人間性を問う。
エリカという一人の人間の心の揺れを丁寧に描くことによって、
この深いドラマが生まれたのだと思います。

その善と悪=暴力との間で葛藤するエリカを演じたジョディ・フォスター。
久しぶりに彼女の存在感と演技力が発揮された作品だと思います。
とても繊細でリアルな演技でしたね。
彼女が出るシーンは全てが引き締まっていたように感じました。

エリカと交流を深めるマーサー刑事を演じたテレンス・ハワード。
多くの犯罪と対峙しながらも決して己の感情に流されず、
法を厳守する姿勢を崩さない刑事役は彼のイメージにピッタリでしたね。

正義の心を貫くマーサーの存在がエリカの心の救いだったのだと思います。
彼の存在なくして、この作品の深いドラマ性はあり得なかったでしょう。

この作品のキャッチコピーでもある「許せますか、彼女の“選択”」。

許せる、許せないという単純な結論だけでは片付けられるでしょうか?

この作品は誰もが直面しうる、深い問題提議が投げかけられています。
被害者と加害者という立場、そして善と悪というものを、
もう一度考えてみる必要があるのではないでしょうか?

そして「THE BRAVE ONE」=“勇気ある者”というタイトル。
“勇気”とは一体何なのでしょうか?

復讐=勇気という単純で危険な考えではなく、
この作品は、“本当の勇気とは何か”と言う問いを、
観客全てに投げかけているのだと思います。

この物語は衝撃的な結末で幕を閉じます。
しかし、この作品はそこで終わりではないのです。

この作品の意図、メッセージはこの映画の結末にあるのではなく、
これまでの過程を踏まえた物語のその後にあるのです。


それを踏まえてこの作品を観て欲しいと思います。


評価★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点 …1点)


<DVD情報>

ブレイブ ワン

<ブルーレイディスク情報>

ブレイブ ワン

<CD情報>

オリジナル・サウンドトラック「THE BRAVE ONE」


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