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Toy'sの映画感想ブログです。

今まで観た映画から最近見た映画までジャンルを問わずご紹介していこうと思います。

映画の感想は基本的にネタバレしないように書いています。
評価の詳しい内容は、

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B級映画を中心に映画の感想を書いているブログ、

「Toy's “B級” CINEMA PARADISE」
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Toy's CINEMA PARADISE
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ストレンジャー・コール
もう、止めて―――。


ストレンジャー・コール
原題: WHEN A STRANGER CALLS

stranger1a.jpg

製作年:2006年 製作国:アメリカ 87分
監督:サイモン・ウェスト
出演:カミーラ・ベル、トミー・フラナガン、ケイティ・キャシディ、テッサ・トンプソン
    ブライアン・ジェラティ、クラーク・グレッグ、ランス・ヘリクセン(声)

【ストーリー】

ロサンゼルス郊外の閑静な丘の上に建つ邸宅でべビーシッターをすることになった女子高生が、
不審な男からかかってくる不気味な電話によって恐怖に突き落とされるサイコスリラー。

【感想】

1979年公開の『夕暮れにベルが鳴る』をリメイクしたサイコスリラーです。

閉鎖的空間に迫り来るサイコキラーの絶望的恐怖がリアルに描かれていて、
物語が進むにつれて映画に釘付けになりました。

どこかで見たことのあるような定番な展開、良くある設定のサイコスリラーですが、
物語を極力シンプルに絞込み、主人公にじわじわと忍び寄る恐怖を徹底的に描いた
演出が恐怖度をよりいっそう高めています。

見終えた後に冷静に考えると、まったく必要のない場面や伏線になっていない展開、
ご都合主義的な殺人鬼の設定などツッコミどころ満載な映画でもありました。

ネタバレしてしまうので詳しくは書きませんが、???な部分も結構あります。
その???なツッコミどころは観て頂ければ確実に分かります(笑)

ただ閉鎖的な空間で迫り来る絶望的な恐怖を描いた部分だけを考えれば、
観ている間中、ハラハラドキドキしまくりだったので恐怖度は合格点だと思います。

映像やカット割りもよりいっそう恐怖度を演出していました。
そして恐怖度を演出する音楽の使い方も良かったですね。
この系統の映画には定番ですが静と動の使い分けが上手かったと思います。

まるで主人公と同じ場所にいて、同じ恐怖を味わっているような感覚になれます。
それだけ恐怖に対する演出には力が入っているって感じですね。

まぁ、映画好きでサスペンス好きな人にはちょっと物足りないというか、
設定や伏線が甘すぎるという評価になりそうですが(^^;

そして物語自体、賛否両論ですが、さらに賛否両論なのがラスト。
うーん、言いたいけどネタバレするから言えないこの辛さ(笑)

この映画は『夕暮れにベルが鳴る』のリメイクですが、
元ネタは「ベビーシッターと二階の男」という都市伝説らしいです。

この話を読んでみると、たしかにこの映画の前半部分はその都市伝説から
作られたって感じがします。
後半部分はその話にオリジナルで考えた物語を足したような形になっています。
その後半部分が問題なんですけどね(笑)

主人公は2006年春夏のブラダガールとして、
ファッションセレブの仲間入りをしたカミーラ・ベル。
日本人受けしそうなルックスですよね。
サイコキラーの恐怖に怯える女子高生を一生懸命演じていました。

この映画は「スクリーム」をはじめとするティーンエイジホラーの部類に入ると思いますが、
他の作品と比べるとちょっとオトナシイというか、パンチがあまりない気がしました。
しかし、シンプルにハラハラドキドキさせる展開は他の作品以上かもしれません。

全体的な構成には疑問な部分が多く、ツッコミどころ満載ですが、
恐怖に対する演出はしっかりと丁寧に描かれているので、
都市伝説を下敷きにした物語と言う事を理解した上で、
恐怖を体験できる映画として観て頂ければ意外と楽しめると思います。


評価★★★★★☆☆☆☆☆(10点満点中5点 …1点)


<DVD情報>

ストレンジャー・コール


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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

乙女の祈り
さあ、愛のために、ママを殺そう。


乙女の祈り
原題: HEAVENLY CREATURES

1979108725.jpg

製作年:1994年 製作国:ニュージーランド、アメリカ 100分
監督:ピーター・ジャクソン
出演:メラニー・リンスキー、ケイト・ウィンスレット、サラー・バース、クライヴ・メリソン
    ダイアナ・ケント、サイモン・オコナー

第51回ヴェネチア国際映画祭:銀獅子賞(監督賞) 受賞

【ストーリー】

純粋でいて残酷な年頃の多感な時期の女子高生二人が、二人で夢見た幻想に溺れ、
ついに自分達の領域を侵すものを抹殺しようとする。
彼女たちが犯行に駆り立てられるまでを鮮明に解き明かした、実際に起きた事件の映画化。

【感想】

1954年にニュージーランドで実際に起きた事件を題材にした映画です。

B級ホラー映画監督だったピーター・ジャクソン監督の名を知らしめた作品でもあります。
彼の今までの作風からは想像できない程、しっかりとした作品となっていました。

思春期の少女特有の純粋さと残酷さを鋭く描く演出力、
少女たちが夢見る幻想世界の斬新なビジュアルセンスは本当に素晴らしいの一言です。、
最後まで目が離せない異色のサスペンス・ドラマに仕上がっています。

二人の少女が犯行に至るまでの心理的状況や、家庭環境などをしっかりと描き、
空想の世界に溺れて行く過程や友達を越えた感情を抱いてゆく過程を、
過剰な演出ではなく、しっかりと丁寧に描いています。

犯行に至るまでの過程をしっかりと描く事によって、
彼女たちの心理的変化や犯行の動機をよりいっそう深く見ることができました。

社会は、そして家族は彼女たちに一体何をしてあげれば良かったのだろうか?
そんな空しさとやり切れない想いが込み上げてきました。

主演の女子高生二人を演じたメラニー・リンスキーケイト・ウィンスレット
純粋であるがゆえに空想の世界にのめり込み、純粋であるがゆえに狂気に走ってしまう
多感な少女を見事に演じていました。

特にケイト・ウィンスレットはこの映画がデビュー作だったんですね。
この頃から存在感バツグンの演技力でした。

監督のピーター・ジャクソンは今でこそ「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズや
「キング・コング」などで超大作を手がけられる一級の監督として名を知られて
いますが、この頃はまだほとんど無名に近かったですよね。
「バッド・テイスト」や「ブレイン・デッド」(そのうちB級の方でレビューします)
などおバカでナンセンスなハチャメチャス・プラッターホラー監督っていう
イメージしかありませんでした。
その監督がこの映画を撮ったと知って映画以上に驚愕した記憶があります(笑)

実話を基にした映画ですが、本当に実際にあった事件なのか?と思わせるほど
二人の少女の心理を鋭く描いた演出、綿密な構成は見事です。

空想の世界にのめり込み、二人だけの世界を作り出す少女たち。
そしてその領域を侵そうとするものを排除しようと考え、狂気の行動に走る。
心理ドラマであり、サスペンスでもあるこの作品は、
ある意味その辺のホラー映画よりも恐ろしい映画でした。

この作品で第51回ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)を受賞しました。
ピーター・ジャクソン監督の名が世界に知れ渡っている今、この映画を撮ったとしたら、
ヴェネチア国際映画祭をはじめ、アカデミー賞やカンヌ国際映画祭でも
きっと受賞できたんだろうなぁと思えるほど完成度の高い作品です。


評価★★★★★★★★☆☆(10点満点中8点 …1点)


<DVD情報>

乙女の祈り


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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

時計じかけのオレンジ
レープと超暴力とベートーベンだけにすべてのエネルギーを費やす恐るべき若者たち!


時計じかけのオレンジ
原題: A CLOCKWORK ORANGE

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製作年:1971年 製作国:アメリカ 137分
監督:スタンリー・キューブリック
出演:マルコム・マクダウェル、パトリック・マギー、エイドリアン・コリ、オーブリー・スミス、
    マイケル・ベイツ、スティーブン・バーコフ

1972年度ヒューゴー賞最優秀映像作品賞受賞
1973年イタリア国際映画ジャーナリスト協会賞外国映画最優秀監督賞シルバーリボン受賞


【ストーリー】

近未来、毎日のように暴力やセックスに明け暮れていた不良グループのリーダー:アレックスは
ある殺人事件で仲間に裏切られ投獄されてしまう。
そこでアレックスは暴力性を抑える洗脳実験の実験台に立たされる。

【感想】

スタンリー・キューブリック監督による「2001年 宇宙の旅」「博士の異常な愛情~」に続く、
SF映画三部作の一作です。


今まで観た映画の中で一番の衝撃を受けた作品といっても過言ではありません。
ここまでぶっ飛んだ映画を観たのも初めてでしたね。

これでもかってぐらに続くウルトラバイオレンス<超暴力>の数々。
暴力、強盗、レイプなど非道の限りを尽くす青年アレックスはまさに悪魔そのもの。
この映像の数々に嫌悪感を抱く人も多いと思います。

しかし、その暴力的な映像も含めてこの映画の全てが独特な芸術的センスに包まれています。
近未来の建物、衣装、家具、オブジェなど全てが芸術的。
芸術的と言うよりは独創的と言った方が良いかもしれません。

この圧倒的な世界観は本当にスゴイです。
自分の中の一般常識が崩壊してしまうような凄さがあります。


そして視覚的効果のみならず、聴覚からも圧倒的な刺激が押し寄せてきます。
今までの常識を逸脱した選曲は斬新さを通りこした新世界ですね。

ベートーベンの交響曲第九番」と「雨に唄えば」を聞くと必ずこの映画を思い出してしまいます。
それまでのこの2曲のイメージが崩壊し、この映画と融合してしまいました(^^;

視覚と聴覚を崩壊させられながら、
この映画の壮絶な物語によって自分の中の理性や一般常識を崩壊させられそうになります。
これはある意味危険な映画なのだと思います。

悪の限りを尽くしたアレックスは仲間の裏切りによって殺人罪で投獄されてしまいます。
そしてアレックスは暴力性を抑える洗脳実験の実験台に立ちます。
社会に適応できる非暴力性の人間を作り出す“洗脳”実験。
アレックスはその実験で非暴力的な人間になり得るのか・・・

この映画は今から約36年前の映画です。
しかし、この映画のような事件の数々は現実に起こっています。
近未来を描いたこの映画に現実社会が追いついてしまっているのです。

さらに暴力性を抑える洗脳実験についても現実には起こりえないと言い切れるのでしょうか?

先日レビューを書いた「カッコーの巣の上で」でのロボトミー手術など、
現実に強制的な抑制方法を取り入れた治療方法もありました。

この先どんな事が起きるのか・・・それは誰にも分かりません。
しかし、まったく無いとも言い切れません。

この映画で描きたかったものは何なのか?
永遠と続くウルトラバイオレンスの数々、凶悪犯罪者への洗脳実験、
そしてその洗脳実験による結末・・・

この映画を理解するのは本当に難しいと思います。

これはあくまでもこの映画を観て感じた自分の個人的な意見なのですが、
中身の無い上辺だけの管理体制、利益重視な医療実験、自由放任が生み出す荒廃した社会、
強制的なやり方でないと抑える事の出来ない大人たち、道徳感が欠落してしまった若者たち、
そんな現代社会への警告や批判を訴えているのではないかと思います。

非常に皮肉に溢れた、強烈に社会を風刺した作品なのではないでしょうか。

しかし、この映画を観た人たちの中で、
そのメッセージをしっかりと受け止められる人がどれ位いるのでしょうか?

独創的センスで描かれたこの映画は、暴力の限りを尽くすアレックスの物語に惹き込まれ、
暴力を誘発してしまう恐れがある危険な作品でもあると思います。
現実にこの映画に触発されて犯罪を犯した犯罪者もいるそうです。

この映画を観て格好良いとか、素晴らしいセンスであると感じる人は多いと思います。
そして格好良いを通り越して、この映画の暴力に魅了されてしまう人もいるのではないかと思います。
それは暴力や管理された全体主義社会への皮肉が理解されず、
皮肉として描いた暴力がこの映画を観た人の心に直接入り込んでしまうからではないでしょうか。

それは本当に恐ろしいことです。
受け取り側の理解度も必要ですが、送り手側が本当に感じてほしいメッセージを
しっかりと受け取ってもらえるようにする事の方がもっと重要であり大切なのではと思います。


社会を風刺した作品でありながらも、その内容が難解であるがために、
受け取り側がそのメッセージをちゃんと受け止める事ができない・・・

自分は上記のような理由で、この映画を『名作』とは思いません。
映画としては独創的であり斬新な本当に素晴らしい作品であると思います。
今観てもまったく色あせる事の無い映画史に残る作品であると思います。

ただ『名作』と呼んでしまうと、この映画を全て肯定してしまうような気がするんです。
なので自分的にはこの映画は映画史に残るカルト作』という位置づけにしています。

この映画は子供には絶対に見せたくない作品ですね。
子供だけではなく心が成熟していない大人にも見てほしくない作品です。
自分も多感な時期に観なくて良かったと思いました(^^;

これからこの映画を観ようと思っている方は、
この映画のメッセージをご理解の上ご鑑賞下さいね。



評価☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点満点中0点 …1点)
※0点は評価の付けられないカルト映画という意味です。

<DVD情報>

時計じかけのオレンジ

<CD情報>

時計じかけのオレンジ


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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

みなさん、さようなら
あなたはパパの涙を見たことがありますか。
パパの至福のときを、
そして、その人生を知っていますか。



みなさん、さようなら
原題: LES INVASIONS BARBARES/THE BARBARIAN INVASIONS/INVASION OF THE BARBARIANS

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製作年:2003年 製作国:カナダ・フランス 99分
監督:ドゥニ・アルカン
出演:レミージラール、ステファン・ルソー、マリ=ジョゼ・クローズ、マリナ・ハンズ
    ドロテ・ベリマン、ルイーズ・ボルタル、ドミニク・ミシェル

第76回アカデミー賞:外国語映画賞 受賞
第56回カンヌ国際映画祭:主演女優賞 受賞


【ストーリー】

末期ガンで死を目前に控え残り少ない人生を謳歌する男と、
彼を支える家族や友人達の交流を描く感動作。

【感想】

この世に“”を受けたものには必ず“”が訪れますよね。
この映画はその“”をどう迎えるか、どう受け止めるかを描いた作品です。

主人公は享楽的社会主義者を自任する大学教師レミ
末期ガンに侵され余命わずかとなった彼の今までの人生は自由そのもの。
家族を持ちながらも多くの女性と浮気をする無類の女好きでした。

彼には性格が正反対の息子がいます。
父親を反面教師として育ったセバスチャンは父親の10倍の年収を稼ぎ、
女性を一途に愛するもの静かな青年です。

そんな二人はお互いを認め合う事もなく深い溝ができていました。

レミがガンに侵され余命わずかと知った時、
そして家族を蔑ろにしていたと思っていた父親が自分の事を深く愛していたと
知った時、セバスチャンは父親に対して少しずつ心を開いて行きます。

この物語は“”を描くと同時に“父子”の絆を描いた作品でもありました。

母親の願いにより世界中に散らばってしまったレミの友人達を、
セバスチャンは呼び寄せます。

良き友人達に囲まれ、そして家族に囲まれて最後の日々を過ごすレミ。

なんて幸せな最後なのだろう。

多くの人々はこんなに幸せな最後を迎えることはなかなかできないと思います。
とても羨ましい人生の終焉だと思います。

こう書いてくると静かに進む感動的な物語を想像しますが全然違います。
涙と笑いを交互に描いたとても心温まる優しさに溢れた作品でした。

レミの友人達の会話はほとんどが下ネタなので受けつけない人もいるかもしれません。
自分も若干しつこいなぁなんて思って観てましたが、
それがレミの人生そのものなのだと気がつきました。

余命わずかなレミに対して悲しみを見せないように、
友人達は今までと変わらない会話をあえてしていたのではないかと思います。

そして息子のとった行動にも好き嫌いが分かれるところですね。
お金の力でなんとかしてしまうのはどうなのかと・・・
しかし、父親に対して「愛している」と素直に言えないセバスチャンにとっては、
精一杯の親孝行だったのかもしれません。

しかし、お金では決して買えないものがあります。
それは友人たちの愛、そして家族の愛
自分の生きてきた人生はお金で買うことはできないのです。

そのお金で買うことが出来ないものこそ、
人生にとって一番大切なものなのではないでしょうか?


”がスタートであり、“”がゴールだとすれば、
”というゴールを華やかに飾ろうとするのではなく、
ゴールへたどり着くまでの長い道のりを華やかに飾ってゆく、
”という時を大切にするべきなのではないかと感じました。

生きる意義、生きた証、悔いのない人生、全てを満たされて“”を迎える人は
この世の中にどれだけいるのでしょうか?

”を目の前にして自分自身の人生が全て完璧だったと言う人はいないと思います。
自分の人生とは何だったのか、生きた証を残したかった、
残して行く家族は大丈夫だろうか、もっと生きていたかった・・・・
きっと多くの心残りが体中を覆いつくすのだろうと思います。

逆に考えれば多くの心残りがある分だけ、
その人生は素晴らしいものであったのではないかと思うのです。


残してゆく家族、親しい友人たち、自分の人生に関わった全ての人たち、
多くの人々との出会いの数だけ“”の直前に思う心残りになるのではないでしょうか?

そう考えると全てが満たされて“”を迎える人は、
逆に寂しいというか、空しいような気がします。

やはり“”を大切に生きる事が一番重要なことなのだと思います。
悔いのない人生を送ると同時に、自分が“”に直面した時、
多くの心配事が残るような沢山の出会いがある充実した人生を送りたいと思いました。

そして父と子の不器用な愛情についても考えさせられました。
父親と息子ってきっと最後まで素直になれないんだろうなぁと思っています。

現実に自分の親父とはレミとセバスチャンに近い関係になっていました。
父親を尊敬しながらも素直になれない、親父の言う道ではなく自分の信じる道を進みたい、
そして言葉に出さなくても自分のしている事を信じてほしい、
誇りに思ってほしいと思っていました。

この映画の中でも母親がセバスチャンに言うセリフがあります。
子供を持たないと親の気持ちは分からない
まさしく、その通りでした。
子供を持って始めて知った両親の愛情は想像以上に深いものでした。

息子たちが産まれてから自分の人生は大きく変わりました。
環境の変化だけではなく、自分自身の心の中が大きく変化してゆきました。
そして自分が息子へ注いでいる愛情は、
自分が父親から注いでもらった愛情と同じなんだと気がつきました。

不器用で言葉に出して表現できない父と子の関係は、
言葉を超えた愛情を知ることにより、お互いを理解できるようになるのだと思います。


この映画は第76回アカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。
日本映画でノミネートされていた「たそがれ清兵衛」を押さえての受賞だったので
どんな映画なのか気になっていました。

そして第56回カンヌ国際映画祭ではナタリー役を演じた
マリ・ジョゼ・クローズ主演女優賞を受賞しています。
虚ろで生気のないジャンキーから、
レミとの出会いによって次第に自分を取り戻して行くナタリーを好演していました。
脇役でありながら、真に迫った存在感のある演技がとてもが印象的でした。

この映画を観て「家族」と「友人」をもっともっと大切にしたいと思いました。
そして“今”という時を大切に、素晴らしい日々を送れるようにしてゆこうと思いました。


重い題材であるのも関わらず、観終えた後に爽やかな気持ちになれる不思議な映画です。
そしてもう一度自分自身の人生を見つめ直すキッカケとなる映画です。

感動で号泣することはありませんでしたが、心に残る優しさに溢れた映画でした。


評価★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点 …1点)


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【ハ 行】

バイオハザード

バイオハザードⅡ アポカリプス

バイオハザードⅢ

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

バグダッド・カフェ

バス男

ハスラー

ハスラー2

バタフライ・エフェクト

パフューム ある人殺しの物語

ハムナプトラ/失われた砂漠の都

ハムナプトラ2/黄金のピラミッド

パリ、テキサス

パルプ・フィクション

ハンニバル

ハンニバル・ライジング

羊たちの沈黙

ピアニスト

ヒート

ヒルズ・ハブ・アイズ

ヒルズ・ハブ・アイズ2

ピンク・フラミンゴ

フェノミナン

プライベート・ライアン

ブラッド・ダイヤモンド

プラネット・テラーinグラインドハウス

フル・モンティ

ブレイブ ワン

フロム・ダスク・ティル・ドーン

ホテル・ルワンダ

ボルベール<帰郷>

ボーン・アルティメイタム



【マ 行】

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

街のあかり

マリー・アントワネット

ミザリー

ミッドナイト・ラン

みなさん、さようなら

麦の穂をゆらす風

モーテル



【ヤ 行】

ユージュアル・サスペクツ

ゆれる

善き人のためのソナタ



【ラ 行】

リトル・ダンサー

リトル・ミス・サンシャイン

レオン

レザボア・ドッグス

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード

レッド・ドラゴン

ロッキー・ザ・ファイナル

ロード・オブ・ザ・リング

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還



【0~行】

007/カジノ・ロワイヤル

13/ザメッティ

28日後...

28週後...

300



【A~行】

AVP2 エイリアンズvsプレデター

E.T.

GOAL!

ONCE ダブリンの街角で




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【ア 行】

アイ・アム・レジェンド

穴/HOLES

アポカリプト

あるいは裏切りという名の犬

イルポスティーノ

生きる

いま、会いにゆきます

妹の恋人

イン・ディス・ワールド

インベージョン

うなぎ

永遠と一日

エル・トポ

エレファント

乙女の祈り

俺たちフィギュアスケーター



【カ 行】

隠された記憶

過去のない男

カッコーの巣の上で

風の谷のナウシカ

キャプティビティ

ギルバート・グレイプ

グッバイ、レーニン!

Crash/クラッシュ

この森で、天使はバスを降りた

ゴーストライダー

コーヒー&シガレッツ

コーラス

コールド マウンテン




【サ 行】

サンシャイン2057

幸せのちから

シザーハンズ

七人の侍

自転車泥棒

シャイニング

呪怨 パンデミック

主人公は僕だった

ショーシャンクの空に

JAWS/ジョーズ

シン・シティ

スコーピオン・キング

スタンド・バイ・ミー

ステラ

ストレンジャー・コール

スナッチ

スパイキッズ

スパイダーマン

スパイダーマン2

スパイダーマン3

スモーク

スリザー

世界はときどき美しい

ゼブラーマン

セルピコ

セント・オブ・ウーマン/夢の香り

ソウ4

ゾンビ

ゾンビーノ



【タ 行】

タイタニック

ダイ・ハード4.0

太陽

太陽がいっぱい

タクシー・ドライバー

ターミネーター

ターミネーター2

ターミネーター3

誰も知らない

ダンサー・イン・ザ・ダーク

地球外生命体捕獲

椿三十郎

ディズタービア

手紙

デス・プルーフ in グラインドハウス

デスペラード

デッド・ゾーン

トーク・トゥ・ハー

時計じかけのオレンジ

ドランクモンキー/酔拳

トランスフォーマー

ドリームガールズ

トレーニング デイ

どろろ



【ナ 行】

ナイト・ミュージアム

楢山節考

ナンバー23

ニューシネマ・パラダイス

ノッティングヒルの恋人






マリー・アントワネット
恋をした、朝まで遊んだ、全世界に見つめられながら。


マリー・アントワネット
原題: MARIE ANTOINETTE

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製作年:2006年 最作国:アメリカ 123分
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン、リップ・トーン、ジュディ・デイヴィス
    アーシア・アルジェント、マリアンヌ・フェイスフル、ローズ・バーン

【ストーリー】

故郷を離れ異国の地フランスの王室で必死に生きた悲劇の王妃マリー・アントワネットの
激動の人生を豪華な映像と共に描く宮廷絵巻。

【感想】

歴史物の作品で全般的言えることなんですが、マリー・アントワネットの事も、
フランスの史実についても、ほとんど知識なく鑑賞してしまいました(笑)

本当は観る前にある程度の知識があった方がより深く観ることができますよね(^^;

率直な感想としては歴史上の人物を描いた作品の中では完成度はちょっと低いかな、と感じました。
一人の少女が王妃として目覚めていくまでの過程や、
マリー・アントワネットの心理的描写の描き方は薄かったかなと思います。

歴史上の人物を描く映画では、その主人公の心情をしっかりと描き、
その人生を重厚な物語で描くことが多いですよね。
この映画ではその部分が足りなかったのかなと思います。

たぶん、この映画はマリー・アントワネットを全く違った観点から描きたかったのだと思います。

しかし、歴史上悪名が高いマリー・アントワネットを“普通の女の子”として描いた
発想やセンスは素晴らしいと思います。

彼女は異国の地へ嫁いだ事への不安感や子供がなかなか出来ない事へのプレッシャー、
孤独や憂鬱さを紛らわすために夜な夜なパーティに出かけたり、ギャンブルにハマったり、
贅沢なスウィーツや豪華な衣装に溺れて贅の限りを尽くします。

彼女の贅沢な生活はそんな孤独や不安感を埋めるためだったのかもしれないですね。

14歳で嫁いだ時は小奇麗な衣装というイメージでしたが、
ルイ16世との結婚して王妃になり、その立場の変化と共に衣装や装飾品が豪華になってゆく姿は、
彼女の心の変化をビジュアル的にも表現しているような気がしました。

監督のソフィア・コッポラがこの映画で一番こだわったと言うのがガーリーな世界。
マリー・アントワネットの色彩豊かなドレスやシューズ、色とりどりのスウィーツなど、
18世紀の映像とは考えられないほどのポップな色彩の数々で描かれています。

そしてガーリーな世界観とこれ以上なく融合した80年代のポップな音楽。
マリー・アントワネットの気持ちを表現するようなポップな音楽の数々は、
ガーリーな映像と共に歴史映画の枠を超えた新しい世界を作り上げていました。

今も昔も普通のティーンエイジャーの女の子は変わらないのかなと考えると、
マリー・アントワネットの時代でもガーリーな世界観やポップな音楽はありなのかもしれませんね。


王妃マリー・アントワネットを演じたキルスティン・ダンストはすごくハマり役だったと思います。
彼女ってものすごく美人という訳でもなく、ものすごく可愛いって訳でもないですよね。
なのに映画の中の役になりきると彼女の魅力が全開になる。
そのオーラと言うか、彼女の持つパワーが映画全体に溢れているような気がしました。
マリー・アントワネットが“普通の女の子”だったら本当にこんな人だったのかも・・・
そう思えるようなとても素晴らしい演技だったと思います。

ソフィア・コッポラ監督の独創性、そして新しい発想やセンスはとても素晴らしかったです。
悪名高い王妃マリー・アントワネットを“ひとりの女の子”として、
等身大の“普通の女の子”として描けたのは、やはり彼女ならではだと思います。

歴史的な重みやマリー・アントワネットの心理面を深く描かず、
ただ彼女を“普通の女の子”として描き、ガーリーな世界観で映像化したこの作品は、
好き嫌いがはっきり分かれるところだと思います。

ただ見方によっては歴史的な検証を基にして描いた史劇ではなく、
歴史上に存在した一人の女性の心情を、豪華絢爛な宮廷や衣装など
色彩豊かな映像を用いて描いた人間ドラマとして観れるのではないでしょうか?

そう考えると歴史的な背景を基に一人の女性を描いた
フィクションとして考えても良いのではないかと思います。

歴史的な事は深く考えずに、マリー・アントワネットが“普通の女の子”だったら・・・
そんな遠い昔の人物をポップな映像や音楽で描いた青春映画として観るのも良いかもしれません。



評価★★★★★☆☆☆☆☆(10点満点中5点 …1点)


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ダイ・ハード4.0
あの男、再起動。


ダイ・ハード4.0
原題:LIVE FREE OR DIE HARD

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製作年:2007年 製作国:アメリカ 129分
監督:レイ・ワイズマン
出演:ブルース・ウィリス、ジャスティン・ロング、ティモシー・オリファント、クリフ・カーティス
    マギー・Q、シリル・ラファエリ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド

【ストーリー】

全米を襲うサイバーテロの野望に立ち向かう“運の悪い男”ジョン・マクレーンの活躍を描く、
『ダイ・ハード』シリーズの第4弾。

【感想】

最強に“運の悪い男”ジョン・マクレーンの活躍を描く人気シリーズの第4弾です。

前作はなんと12年前なんですね、ビックリです。
たしかにジョン・マクレーンことブルース・ウィリスも歳をとる分けですね(^^
でも、50歳超えても現役でアクションをこなせる俳優は数少ないですよね。

久しぶりの続編、そしてブルース・ウィリスの歳を考えて、
かなり不安を感じながら鑑賞しましたが、
そんな不安は観始めてからどこかにぶっ飛んでしましました(^^

今回の“運の悪い男”が遭遇する事件はサイバーテロ
テロ実行犯のリーダー:トーマス・ガブリエルに『ハト時計』と言わしめた(笑)
ジョン・マクレーンはITやハッカーなど無縁のアナログ男。
劇中に携帯電話を使っているのにちょっと驚いた自分がいました(笑)

この『ダイ・ハード』シリーズの一番の魅力はやはりアクション・シーンですよね!!
今回は前3作を凌ぐ激しいアクション・シーンの連続で見応えがありました。
ブルース・ウィリスの動きに関しては歳も考えると仕方がないかと思いましたが、
それを補うかの様な壮絶なカーアクション、ヘリの爆発シーンなどなど見所満載です。

ダイ・ハード』シリーズのアクションは、現実にありえるアクションでは駄目ですよね。
ありえない展開、ありえない爆破、ありえない傷を負いながらも激しい戦いを繰り広げる、
これこそが『ダイ・ハード』なのです!!

そして歳をとっても「ダイ・ハード」するジョン・マクレーンの勇姿はまさに男。
男臭さに溢れてます(^^
今回も車から飛び降りたり、高所から落下しそうになったりと、
運の悪い男であるジョン・マクレーン節が全開です!!
そして傷だらけになりながらも、血まみれになりながらも、ぼやきまくりながらも、
ひたすら戦い続けます。
やっぱり、この“ぼやき”がなくっちゃ始まらないですね(笑)

マット役のジャスティン・ロングとのコンビも良かったですね。
激しいアクションの合間に見せる対象的な二人の掛け合いは面白かったです。

1,2作は愛する妻のために体を張ってテロリストと死闘を繰り広げていましたが、
今回は愛する娘のために体を張ってテロリストと戦います。
刑事物では良くある設定ですが、疎遠になった娘との絆を取り戻す、
ちょっとしたドラマも盛り込まれています。

4度目のマクレーンを演じたブルース・ウィリスは、
歳をとってもやっぱりジョン・マクレーンですね(^^
アクションシーンはやはり辛そうでしたが、マクレーンというキャラクターは健在でした。
何で俺がこんな目に・・・」「イピカイエ、マザーファッカー(くたばれ)!!
などなどシリーズお馴染みのセリフが聞けただけで満足です(^^

12年ぶりの『ダイ・ハード』は続編というよりは、復活編と言った方が良いかもしれません。
まるでマクレーン復活を祝うかようなシリーズ中最高のアクションシーンの数々によって、
この作品は誰もが楽しめる最高のエンターテイメント作品となっています(^^

帰ってきた最強に“運の悪い男”、そして“不死身の男”ジョン・マクレーンの勇姿を
もう一度観る事ができたのが嬉しかったです(^^


是非、『ダイ・ハード』シリーズを観た事がない若い世代の人たちにも観てほしいと思います。


評価★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点 …1点)


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カッコーの巣の上で
一羽は東に、一羽は西に、一羽はカッコーの巣の上を飛んでいった・・・・・


カッコーの巣の上で
原題: ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST

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製作年:1975年 製作国:アメリカ 129分
監督:ミロス・フォアマン
出演:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、マイケル・ベリーマン、ブラッド・ドゥーリフ
    ウィル・サンプソン、クリストファー・ロイド、ダニー・デビート

第48回アカデミー賞:作品賞、主演男優賞、主演女優賞、監督賞、脚色賞 受賞
第33回ゴールデン・ブローブ賞:作品賞、男優賞(ドラマ)、女優賞(ドラマ)、監督賞、脚本賞、新人男優賞 受賞
第1回LA批評家協会賞:作品賞 受賞
第41回NY批評家協会賞:男優賞 受賞


【ストーリー】

刑務所の強制労働から逃れるため精神異常を装ってオレゴン州立精神病院に入った男が、
そこで行われている管理体制に反発を感じ、絶対権力を誇る婦長と対立しながらも、
入院患者たちの中に生きる気力を与えてゆくが・・・

【感想】

人間の尊厳と社会の不条理を問う人間ドラマの傑作です。

初めて観た時の衝撃は計り知れません。
エンドロールが流れている間は衝撃と空しさでしばらく動く事が出来ませんでした。

主人公のマクマーフィは刑務所の強制労働から逃れるため、
精神異常を装って精神病院に入ります。

そこで彼を待ち受けていたのは、精神病院の徹底的な管理体制。
そしてその管理体制の中で気力を無くし、ただ生きているだけの入院患者たちの姿でした。

精神異常ではなく、普通の男であるマクマーフィは衝撃を受けます。
そして、絶対的な権力を持つ婦長ラチェッドと幾度も対立し合いながらも、
少しづつ入院患者たちに生きる希望を与えてゆきます。

正常な人間であるマクマーフィ。
しかし精神病院の中での彼は異質な存在となります。

マクマーフィの言動、行動は普通の人間が見ても、とんでもないと思うものばかりです。
彼は婦長に抵抗するため、脱走したり、テレビ観戦したりと次々に問題を起こします。
そんなマクマーフィと接して行くうちに入院患者たちは失ったものを取り戻してゆきます。
それは自分を主張する事であり、人間であると言う事。

しかしマクマーフィはその行動により、自分自身を追い詰めてしまいます。
そして彼は知るのです。
精神病院がどんなところなのか・・・
そして入院患者たちの本心を・・・

マクマーフィの行動は痛快で、観ていて気分が良くなるほど爽快でした。
絶対的な権力で管理する婦長への抵抗は、
日常の自分たちの中にある管理体制に抵抗したいと言う気持ちの代弁のような感じがありました。

入院患者たちが笑顔を取り戻し、彼と共に脱走したり、パーティをしたりする姿を観て、
この映画を観ている自分も心が開放されてゆくような気持ちになりました。

しかし・・・

この映画のラストは、あまりにも衝撃的すぎました。
きっと多感な時期に観たら、もっと激しい衝撃を受けたに違いないと思います。


マクマーフィの行動は何かを残す事ができたのでしょうか?
全てが無駄だったのでしょうか?

彼の行動は正当な行いではありませんでした。
むしろ、一般社会でも弾き出されるような突飛な行動ばかりです。
彼が精神病院に来た理由は、ただ楽をしたかったからという安易な考えなのに、
病院の中では管理体制を批判し、とんでもない行動により規律を乱し続けます。

それは果たして良き行動なのでしょうか?
自分のやりたいように、自分の都合の良いようにしたい・・・
誰にも束縛されたくない、自由がほしい、ただそれだけだったのでしょうか?

しかし、そんな彼の行動には全ての人間が持つ大切なものが一つありました。

それは人間の尊厳。

自分が自分であると言う事。

ただ流されて生きているだけでは本来の自分という人間は無くなってしまいます。
自分が自分であるという事、人間が人間であるという事。

人間の尊厳とは? 個人の自由とは?

この映画の本質はそこにあるのだと思います。

管理社会の中で生きている自分たちに強烈なメッセージを送っているような気がします。

マクマーフィを演じたジャック・ニコルソンの熱演は強烈です。
普通の人と違った個性を持つ役柄は彼のハマり役ですよね。
強烈なキャラクターであるマクマーフィの圧倒的な存在感は凄いです。
一度この映画を観たら、このキャラクターを忘れる事はないでしょう。
それほど強烈なインパクトを残す役柄でした。
マクマーフィ役はジャック・ニコルソンが演じたキャラクターの中で1,2を争うほどの
素晴らしい名演技だったと思います。
この作品で第48回アカデミー賞主演男優賞、第33回ゴールデン・グローブ賞男優賞(ドラマ)、
第41回NY批評家協会賞男優賞を受賞しました。

婦長ラチェッドを演じたルイーズ・フレッチャーの存在感も素晴らしかったです。
誰もが反発したくなるような絶対的権力で患者達を管理する婦長を見事の演じていました。
彼女もこの作品で第33回アカデミー賞主演女優賞、
第33回ゴールデン・グローブ賞女優賞(ドラマ)を受賞しました。

この映画を観て初めて“ロボトミー手術”というものがどんなものなのか知りました。
とてもショッキングで衝撃を受けました。
この手術において、いろいろな事があったかと思いますが、
今もなお、かつてロボトミー手術を受けた患者たちが精神病院の奥で、
静かに時をすごしていると思うと、切ない気持ちでいっぱいになります。

この『カッコーの巣の上で』は管理体制への批判、人間の尊厳や自由、
そしてロボトミー手術に対する批判など、当時の社会情勢を強烈に風刺しています。

しかし、今現在でも名作として語り継がれているのは、
どんな時代にでも通じる普遍的なテーマ、
人間が人間である事”を描いているからなのだと思います。

自分が自分らしく生きるためには・・・
普段の生活ではあまり考える事のない人間としての普遍的なテーマを、
あらためて考えさせられ、そして人間らしく生きるために重要な事を知ることのできる、
衝撃的な内容でありながらも、素晴らしい作品であると思います。


※タイトルである『カッコーの巣の上で』(原題:ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST)は、
 一見意味が分からないですよね。
 英語で『カッコー』には「気が狂った」という意味もあるそうです。
 ですので『カッコーの巣』とはすなわち“精神病院”を指す意味から来ているそうです。
 
 もう一つ、カッコーは自分の卵を同じ位の大きさの卵を産む別種類の鳥の巣に産みつけ、
 その親鳥に孵化させてもらい、その孵化したカッコーの雛は元々いた別種類の鳥の雛を
 巣の外に落として、自分だけが残るという習性があります。
 婦長とマクマーフィ、そして精神病院の人々をその習性に引っ掛けているのだと思います。



評価★★★★★★★★☆☆(10点満点中8点 …1点)


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カッコーの巣の上で

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エレファント
いつもと同じ一日だと思ってた。


エレファント
原題:ELEPHANT

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製作年:2003年 製作国:アメリカ  81分
監督:ガス・バン・サント
出演:ジョン・ロビンソン、アレックス・フロスト、エリック・デューレン、イライアス・マッコネル
    ジョーダン・テイラー、ティモシー・ボトムズ

第56回カンヌ国際映画祭 パルムドール、監督賞 受賞
第70回NY批評家協会賞:撮影賞 受賞


【ストーリー】

全米を震撼させたコロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件に衝撃を受けたガス・バン・サント監督が
事件が起るまでのハイスクールでの少年・少女達の日常をリアルに淡々と描き出す衝撃の問題作。

【感想】

この作品は第56回カンヌ国際映画祭で、
史上初のパルムドール(最高賞)&監督賞をW受賞した作品です。


いろんな意味で衝撃を受けた作品ですね。

コロラド州コロンバイン高校で起きた銃乱射事件。
多くの人々に衝撃を与え、そして多くの人々に死をもたらし、
多くの人々の悲しみを生んだこの事件は、
本当に衝撃的で驚きを隠せませんでした。

その銃乱射事件を題材にとある普通のハイスクールで過ごす学生達を、
まるでドキュメンタリーのように淡々と描いています。

しかも何の説明もありません。
それぞれの学生達の日常が時間軸が交差しながら淡々と進んでゆきます。
ただ静かに時が流れます。

一つの“事件”に向かって。

プロの役者もたったの3人、しかも大人の役のみ。
その他の生徒達は全て実際の高校生3000人からオーディションで選ばれています。
役名も本名そのままで出演して、
彼らのセリフや役には彼らの実際の体験や生活が盛り込まれているそうです。

それがこの映画の淡々と描きだすハイスクールの日常のリアルさなのでしょうね。
ノンフィクションではなくフィクションであるからこそリアルな演出がある。
劇中の彼らの自然な演技はそれがあったからなのですね。

映画の大半は学生達の日常を淡々と描いています。
もう、本当にこれでもかってくらい延々と描き続けます。
ゆったりと淡々とした映画が観れない人はまず、
この映画を最後まで観るのは難しいんじゃないかと思います。
そう思えるほど何の説明もなく“普通の日常”を描き続けています。

そしてようやくラストに“事件”が起こります。
それも何の説明もなく唐突に。
しかも、その衝撃的な事件さえも淡々と描いています。
学生達の日常を描くのと同じように。
それが逆に恐ろしかった。

この映画の目線は誰に寄る事もなく、誰に感情移入する事もない、
ただ今目の前で起こっている事実を描いているだけなのです。


それはまるでこの銃乱射事件の悲劇にまともに直面しているような、
その場に自分が居合わせてしまったような、そんな感覚になりました。

決して映画的ではないです。
ドラマチックに展開する事は一つもありません。
しかし普通の日常の中に突然起こった事件の衝撃を、
これ以上ない手法で上手く表現した演出であると思います。

そして淡々と描いてきた学生達の日常、そして淡々と描いた事件、
その後に待っているのは、何の説明もなく終了するラスト。
ネタバレしてしまうので詳しくは書きませんが、
恐ろしいまでの唐突さに衝撃を受けると同時に呆気に取られてしまいました。

でも、この映画らしいラストであるとも思いました。
全てを静かに、そして自然に描いていた物語は、やはり自然に終了してゆくものなのだと。
逆にある意味衝撃的なラストだったと思います。

ガス・バン・サント監督は非常に冷静な目で映画を撮る監督ですよね。
そしてその冷静な眼差しの先にあるのは衝撃的な現実。
それを中立的な目線でしっかりと淡々と描く演出は本当に衝撃的です。
『マイ・プライベート・アイダホ』や『グッド・ウィル・ハンティング』など、
監督によってはよりドラマチックに、より感動的に描くだろうと思える映画も、
ガス・バン・サント監督の手にかかると現実的なリアルさを感じられる。
描こうとする本質をオブラートに包むことなく直接的に描くからこそ、
痛みや悲しみ、苦しみなどを直接感じる事ができるのだと思います。
それは非常に危険な事でもあり、非常に勇気のある事だと思います。
そこがガス・バン・サント監督の素晴らしいところであると思うのです。

この映画は商業的な映画ではなく、娯楽映画でもありません。
それを期待して観ると、とんでもない事になります。

実際に起こった悲劇を繰り返さないためには、その事実を知ることが大切です。
その事実を静かに、冷静に、そして淡々と描く事によって、
事件そのものをストレートに表現し、観る人々の心に直接訴えかけている。
そんな映画ではないかと思うのです。


この映画は非常にシンプルです。
そのシンプルな物語の中にある一つのシンプルな疑問。

『何故?』

そのたった一つのシンプルな疑問を、
ガス・バン・サント監督は描きたかったのではないかと感じました。

静かな流れの中に強烈な衝撃を残す問題作。
独特な手法で撮影された、ある意味実験的な映画のような気がします。

映画であえて答えを出さず、観る人々に直接訴えかけ、そして何かを感じ取ってほしい。
そんな監督の狙いがある映画だと思います。

現代社会に蔓延る心の闇。
それは遠く離れたアメリカだけの話ではなく、現代の日本でも共通する問題です。
実はすぐ隣で事件が起こるかもしれない。
それは他人事ではなく、現実に自分に起こるかもしれない。

そんな世の中だからこそ、この映画を多くの人々に観てもらいたい。
そして何かを感じ、考えてほしいと思います。



評価★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点 …1点)


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